新理事長 池添かをる ごあいさつ

 

この度、故西村南海子理事長の後を、引き継がせていただくことになりました、池添かをると申します。

 

私たちにとって、西村の存在は「太陽」であり、行き先を示してくれる「北極星」でもあり、あまりにも大きな存在でした。

 

 私と西村の出会いは、今から1314年前になります。私の長男が幼稚園に年少で入園した際に、西村の一番上のお子さんが年長に在園していました。当時、明星大学の星山麻木先生の講演会が幼稚園で開催され、それを聞いた西村と年長のママで、「凸凹をもつ子の母同士支え合いたい!!」との思いから、幼稚園で親の会を作り、そこに声をかけてもらったのが、きっかけでした。

 

 年少の我が子は、言葉の出がゆっくりで、マイペース。一斉指示には従えない。みんなと同じことができない。思いを伝えるのが未熟だったので、お友達に噛みつくなどトラブルの毎日でした。徒歩通園だったので、お迎えに行くと「もっと遊んで帰りたい」という息子に、私の見ているところでトラブルを起こしてほしくないとの思いから、無理やり連れて帰っていました。あとから、西村に「年少の頃は、園庭に立っている姿が苦しそうだったよね」と言われました。

 

当時の私は、周りに迷惑をかけたくないという思いと、「なんでうちの子だけ、こうなんだろう…」と苦しんでいた時期でした。降園後、公園やおうちで約束をして遊ぶ同級生を横目でみながら、トラブルの多い息子だから、なかなか声をかけてもらえないと勝手に壁を作っていた時期でもありました。

 

 そんな中、親の会で知り合ったメンバーで学年を越えて、夏休みに公園で遊ぼうと誘ってもらいました。お友達とトラブルにならないかとひやひやしている私に、西村は「子ども同士、ぶつかり合いながら、成長するのよ。そんなにピリピリしなくて大丈夫よ」と言ってくれました。公園のレジャーシートの上で、他のママにもいろんな悩みを聞く中で、「うちだけじゃないんだ」と気持ちがほぐれていったのを覚えています。

 

 そこから、息子たちも小学校になり、「かたつむりの会」の会員として、カフェで話を聞いてもらったり、いろんなイベントにも参加させてもらいました。5~6年前からは、ピアメンター(ピア:仲間、メンター:良き助言者という意味)制度を導入し、仲間と研修を受けたり、カフェで先輩ママとして若いママのお話を伺わせていただくようになりました。

 

 私が、スタッフとして関わらせていただくようになったのは、201512月ごろに「児童発達支援事業所を立ち上げるので、手伝ってくれない」と西村に誘われたのがきっかけでした。

 

 2016年7月開所に向け、今となっては詳細を思いだせない程、バタバタの毎日でしたが、西村の近くでいろいろなことを教えてもらい、とても楽しい日々でした。

 

 前置きが大変長くなってしまいましたが、私だけではなく、西村が関わってきた方々みなさまそれぞれに、西村に助けられたり、癒されたりされたエピソードがたくさんあると思います。そんな西村の後を引き継ぐということに対して、とても替わりは務まりませんし、力不足でまだまだ教えてもらいたいことが、いっぱいあったというのが正直な気持ちです。しかし、志半ばで旅立った西村の想いを、後に続く方々に引き継いでいきたいという想いだけは、誰よりも強いと思っています。

 

 かたつむりには、西村が育ててくれた、素晴らしいスタッフがそろっています。西村の生き様を近くて見させてもらった者として、スタッフ一同力を合わせて、西村の想いを繋いでいきたいと思っています。今後とも、「かたつむり」をよろしくお願いいたします。

 

 

新副理事長 伊藤愛絵 ごあいさつ

 

この度、副理事長に就任しました伊藤愛絵と申します。

 

西村との縁は、十数年前ある講座を同時期に受講したことから始まりました。その講座は、発達に凸凹のある子ども達の理解者となり支援の輪を広げていくことを目指していました。ある時、「同じこと、違うこと」についてレポート提出が宿題に出され、全体に発表されたものが西村が書いたものでした。人と違うことがもつ輝きを伝えながら、「・・・ すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい」と金子みすゞの詩でくくられた内容は私の心に残り、≪心に響く言葉を紡ぐ人≫というのが第一印象でした。その後、行動の人だった西村が、仲間たちとキャラバン活動や寺子屋などを始めたことを耳にしたり、活動の様子を見に行くことはあったものの特に繋がりはないまま時は過ぎました。直接的な関わりは、現在は放課後等デイサービスとなっている前身のキッズラボの立ち上げから始まり、わんぱくキッズの開所を経て現在に至っています。

 

西村は、出会う母達や子ども達の気持ちに真摯に、丁寧に寄り添っていました。凸凹さんの面白さや可能性を誰よりも知っていました。悩む母達の気持ちを誰よりも心で受け止めていました。その生き方に共感し短い期間ながら思いを共有した者として、微力ではありますが、心を込めて務めさせていただきます。

 《独りきりにならない子育て~「個」を大切にして「孤」をなくす》

《ライフステージにわたるサポートを》

と願った遺志を引き継ぎ、皆さまと共に次へ繋がる歩みをして行きたいと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

新副理事長 佐藤洋美 ごあいさつ

 

このたび、当法人副理事長に就任いたしました佐藤洋美と申します。

私たちは故西村南海子という羅針盤と大きな希望を失い深い悲しみにおちいっております。

 

以前、子育てに悩む私に西村からこんなことを言われました。

「落ちるとこまで落ちなさい。あなたは今必死にもがいて苦しそう。でも、底まで落ちれば上に上がれるための足場や手をかける木の枝も見える。地面をけり上げて飛び上がることもできる。」

 

今私たちは苦しくて悲しくてもがいています。

でも、泣くだけ泣いて見上げてみたら、西村が多くの人と築き上げたしっかりとした足場があります。

手を取り合える仲間がいます。

そして、私たち自らの足でしっかりと地面をけり上げる力があるはずです!

 

未熟者ではございますが、西村の意思を引継ぎ皆さまと共にかたつむりの為に精一杯務めさせていただきたいと思います。 

どうぞ、よろしくお願いいたします。